業界に詳しくない人からすると、どうしても似ている様に見えてしまう風俗業界とAV業界ですので一見すると当たり前の様に思えるかも知れませんが、実は昔から風俗嬢とAV女優は互いに相手の仕事を敵対視している風潮がある事は余り知られていません。

もともと風俗嬢だった子がAVデビューをする事を"AV堕ち"と呼んだり、その逆を"風俗堕ち"と呼んだりする事があり、一見するとお互いに相手の職業を見下している様にも見えてしまいますが、その実は職業に貴賤はないという事を一番身に染みて分かっているのが風俗嬢とAV女優ですので、同じアダルト業界の中でお互いをライバル視しているが故の言動である事が伺えます。

風俗嬢とAV女優、どちらも女性を武器にして稼ぐ職業ですが、根本的に違うところを一つ上げるとするならば風俗嬢はサービス業でAV女優はモデル・タレント業であるという点です。

裸になってお仕事をするのはどちらも変わりはありませんが、不特定多数の人に作品を観られるのが嫌だという人は風俗嬢としての道を選び、1対1でのサービスが苦手だという人はAV女優としての道を選ぶ…など自然と棲み分けがされてきたアダルト業界ですが、近年になってAV女優として活動をしながら風俗店でも働くというハイブリッドな新しいタイプの女の子が増えています。
特にAVデビューしたい風俗嬢が急増しているのは何故でしょうか。

ひと昔前であれば金銭的に困った女性の駆け込み寺的な職業でもあった風俗嬢とAV女優ですが、近年ではどちらの仕事も働く女性の容姿のレベルが格段に上がった事もあり、裸になれば誰でもそこそこ稼げるという状況ではなくなってしまいました。

アダルト業界で働く女性の容姿のレベルが上がった理由については色々と考えられますが、生活費や自分のお小遣いを稼ぎたい主婦や、学費や遊ぶお金を自分で稼ぎたい学生、就職をしたが初任給が少なく奨学金が払えなかったり生活費が払えなかったりと景気が良くなく親に頼れない若い女性が急増した事もありますが、AV女優に限っていえばメディアやイベントなどへの露出が増えた事もあり、単純にAV女優に憧れて業界入りをする女性も増えました。
アダルト業界で働く女性の分母が増えた事によって、収入は分配され稼げる人も少なくなってしまったといえるでしょう。

そこで稼ぎたい女性が目を付けたのが、AV女優のブランド性と風俗嬢の安定性でした。