AV(アダルトビデオ)は、創生期から実に様々なジャンルへと分化してきました。

「～物(モノ)」と呼ばれるジャンルには、「単体モノ」や「企画モノ」の様に作品のコンセプトを指すものや、「コスプレ物」「レズ物」「大人数モノ」「緊縛モノ」などのプレイの内容を示すもの、「人妻モノ」や「素人ナンパ物」の様に出演モデルの属性を表すものなどが存在しますが、それらに出演するモデルは全て「女性」であるのが前提ですが、
特に性質を異とするものが「ニューハーフ物」と呼ばれるジャンルです。

同じ男性同士の性的行為が表現されている「ゲイビデオ」は同性愛者が対象ですが、
「ニューハーフ物」は、女性が好きな男性向けに作られている点で大きく異なります。

"男性の中に女性を見る"という視点は、一見非常に矛盾している様に思えますが、擬人化が好きな日本人からすると、戦艦が美少女キャラクターとして描かれたり、刀剣が美男子キャラクターとして登場するゲームが大人気で、それを性的に描いた二次創作が多数存在する事を考えれば、完全な物質に人間性を見出すよりもずっと簡単な事かも知れません。

特にAVの作品は、現実ではあり得ないプレイやシチュエーションが見れるファンタジーな世界なので、普段ではなかなか見る事が出来ない「見た目は女性的で美人なのに、男性器が生えている」というギャップに興奮するというのが、人気の秘密かも。

元々は、漫画やアニメから、「ふたなり(女の子に男性器が生えるもの)」や「男の娘(女性にしか見えないが、中身は男性)」を端とするブームが発生したのですが、それがAV業界にも伝播し、元々は専門的なAVメーカー(制作会社)のみが取り扱うジャンルでしたが、最近では他ジャンルが得意なメーカーがジャンルを跨いで「ニューハーフ＋近親相姦モノ」や「ニューハーフ＋レズ物(厳密にはレズではない)」等、様々に展開しています。

「男の娘」や「女装子」も広義では「ニューハーフ物」に含まれます。
LGBTの権利拡大が声高に唱えられている現代において「ニューハーフ」という呼び方は蔑称とみる動きもありますが、ことAV業界"のみ"において
「ニューハーフ」→女性ホルモンを投与・接種していたり、豊胸手術や性転換手術を受けていたりする人を指し、
「男の娘」「女装子」→メイクをしていたり女装をしていても手術等を受けていないというジャンル分けがあり、よりユーザーの性癖に訴求できる様にメーカー側で設定を作り込むことがあります。

つまり、人気ジャンルゆえ、現存のモデルさんだけでは供給が足りず新人の需要が急増しています。

「ニューハーフ物」は以前に比べ格段に作品数や需要が増えているものの、特殊なジャンルである為、飽きられるのも早いといわれています。
どうしても「企画物」「フェチ物」としての側面が強い為、消費されるスピードが速くAV女優としての寿命が短いことが挙げられます。
それが供給が足りていない最大の理由ですが、一番の原因がデビューの仕方にあります。

ニューハーフ物のアダルトビデオに出演する方法として現在最も多いのが、働いている風俗店からの紹介であり、
2018年から導入されている「適正AV」の枠に入っていない事が最たる原因でしょう。
「ニューハーフ物」だけを扱っているメーカーは数少ない為、継続的にお仕事をするには様々なメーカーと取引をする必要がありますが、
無審査映像や、海外から配信される無修正映像が多いニューハーフ専門配信チャンネルなどへ知らずに出演してしまうと、もっと作品の数が多い「適正AV」のお仕事の枠が減ってしまう可能性が多分にあるという事になります。

※「適正AV」とは、AV人権倫理機構（HP：https://avjinken.jp/）が提唱する「女優の人権に配慮した過程を経て制作され、正規の審査団体の審査を受けたAV作品」のことをいいます。

単発のお仕事としてニューハーフ物のAVに出演するだけであれば「適正AV」以外に出演してお金を稼ぐ事も可能ですが、一回の撮影でより稼ぎたい・継続的にお仕事として続けていきたい場合はAVのお仕事を専門としているプロダクションに所属する事をオススメします。
プロダクションは、撮影のお仕事を決める営業活動の他、撮影の内容やギャラを交渉したり、今後の売り出し方を決めるマネジメント業務を代行してくれます。

もしもこれからAV女優としての活動を始めようと思う方や、少し興味を持っただけでも気軽に問い合わせをしてみて下さい。