幸い今回の現場は人数モノ他のモデルさんをスタジオまで連れて来ていた他のプロダクションのマネージャーさん達も未だ居ましたので皆で手分けをして、知り合いのプロダクションのマネージャーに片っ端から連絡をして条件に合うモデルさんが所属していないか確認をしてくれましたが、そう都合良く見つかるものではありません。

特に人数モノでシリーズ化されている作品の場合は毎月撮影を行っていますので、条件に合うモデルさんが居たら既にオファーが来ているがスケジュール等が合わずに出演していないか、既に出演した事があるからです。

ダメ元でプロデューサーが当初オファーを出そうとしていたモデル名が一文字違いのモデルさんが所属しているプロダクションにも連絡をしましたが、やはりスケジュール合わずに来れないという返答でした。

そうこうしている内にも先にスタジオ入りしていたモデルさんは既にメイクが終わっています。

人数モノの現場の場合、限られた時間の中で決められたコンテンツを撮影しきらないといけない為に時間にも余裕がある訳ではありません。

「とりあえず仕方ないのでこのまま撮っちゃいましょうか。後の責任は自分持ちます」…と、

プロデューサーが現場にいない以上、一番の責任者は監督です。監督は決断を迫られたのでしょう。
このまま撮影が出来なくても、コンセプトと違うモデルさんを出演させて作品を見たユーザーからクレームが来たとしても自分には責任はないと思ったのかも知れません。マネージャーとしてもモデルさんとしても、当初の予定通りお仕事をしてお給料さえもらえたら文句はありません。

モデルさんが現場に到着して1時間後、ようやくメイクを始める事が出来ました。

先ほど代打のモデルさんを探すのを手伝ってくれた他の事務所のプロダクションのマネージャーさん達にお礼を言っていると
メイクルームからモデルさんとメイクさんが話をしている声が聞こえてきます。

「いやー、やっぱり若い子はメイクの乗りが全然違うわー！」

先ほどの監督とスタッフさんの話といい、このスタジオは壁が薄いのか防音性には乏しい様です。先にメイクを終わらせていた他の熟女モデルさん達に聞こえて居なければ良いんですが…

今回はメーカー側のミスという事もあり、当初の予定とは違うモデルさんで撮影を続行する事になりましたが、もしも撮影が続行出来なかった場合はどうなっていたのでしょうか。

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